MIPI® M-PHYトランスミッタ/レシーバ・テスト・ソリューション
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特長
- MSO/DSA/DPO70000シリーズ用アプリケーション・ソフトウェア
M-PHYレシーバ・テスト
- オシロスコープと任意波形ジェネレータを使用した簡単なセットアップにより、M-PHYトラフィックのレシーバ/トランスミッタ・テストが実行可能
- Gear1A、Gear1Bのデータ・レートの自動テストによりレシーバ・テストの煩雑さが大幅に軽減され、デバイスをすばやくテスト可能
- オシロスコープに統合されたERRDT機能により、AおよびBシリーズのすべてのギアにおいてバックグランドでビット・エラー・レート(BER)またはエラー・カウント・テストが実行されるため、BERテストのための外付けハードウェアが不要
- ハイスピード・ギア、自動またはマニュアルによるエラー検出メカニズム、テスト回数、ループバック状態など、DUTの構成に応じたテスト・セットアップが可能
- パス/フェイルのサマリ情報、テスト・セットアップの詳細、信号の種類、ビット・エラー、実行回数などを含む詳細なテスト・レポート生成
- 任意波形ジェネレータのテスト・セットアップ
- オプションのSerialXpressにより、Gear1、Gear2、Gear3(すべてAとB)のデータ・レートなど、特性評価のための柔軟性のある障害信号耐性評価をサポート
- M-PHYベース仕様v1.0(すべてのPWMギア)に準拠したジッタ・インサーションとパルス幅変調(PWM)をサポート
- ループバック(自動またはマニュアルのステップ)および非ループバック(マニュアル・ステップ)モードの両方でのDUTテストをサポート
M-PHYトランスミッタ・テスト
- 自動テストによりトランスミッタ・テストの煩雑さが大幅に軽減され、デバイスをすばやくテスト可能
- オシロスコープに統合されたアルゴリズムにより高度に最適化されたセットアップでパワー・スペクトル密度(PSD)テストを実行、外付けのスペクトラム・アナライザや追加のハードウェアが不要
- Gear3を含む、すべてのギアのハイスピード・テストの95%、すべてのPWMギアのPWM測定テストの75%を自動化
- M-PHYTXの自動ユーザ定義モードにより、さまざまなHS、PWMテストのすべてのパラメータが変更でき、総合的な解析、特性評価が可能
- 自動化テストのテストごとにポーズをかけることができ、DPOJET解析ツールに切り替えて詳細なデバッグが可能
- 異なるギアやサブ・ギアのHS(ハイスピード)/PWM(パルス幅変調)信号、Large/Small振幅、インピーダンスの終端/非終端などの組合せによる回帰テストが可能
- ユーザ定義モードにより、コンプライアンスを超えた設定が可能
- Opt. M-PHYのEssentialsでは、セットアップ・ライブラリによりすべての特性評価、包括的な特性評価が可能
- 1枚のレポートで約1000種類のテスト項目からさまざまな組合せが可能であり、パス/フェイルのサマリ・テーブル、マージンの詳細、さらにオプションで波形取込み、アイ・ダイアグラムもレポート可能
M-PHY UniPro/LLIのデコード
- オシロスコープのシリアル・トリガ(Opt. ST6G)の活用
- すべてのギアでUniPro、LLIの特定イベントにトリガ
- 4レーンの自動デコード
- すべてのギア、シグナリング・スキームを自動検出してデコード
- プロトコル・パケットのCRCエラーを自動的に検証
- 4レーンまでのデータ・トラフィックを同時に取込み、レーン間のイベントの相関性がとれる
- プロトコル、物理レイヤ間のデータ相関性
- プロトコル・デコード・データと波形をオシロスコープ上で自動的にリンク
- システムレベルでの迅速なプロトコル・デバッグが可能
M-PHY 8B/10Bデコード
- すべてのM-PHYギアをサポート
- 最高6.25GbpsまでのM-PHYデータ・トラフィックを、シンボルまたは8B10Bへデコード
- トリガ/サーチ
- 任意の制御キャラクタ、キャラクタ/シンボル、エラー(キャラクタ・エラーとディスパリティ・エラー)、またはパターンでのトリガとサーチをサポート
- カスタム・デコード
- オプションのSR-CUSTカスタム・シリアル解析キットにより、最高6.25Gbpsまでの任意のカスタム・プロトコル・デコードが可能
M-PHY DigRFv4デコード
- 自動デコード
- データ・スピード、ディスアセンブルを自動認識し、読みやすいデータ・フォーマットでデコード・データを表示
- 4レーン・デコード
- 同時に4レーンまでのデータ・トラフィックを取込み可能
- オンライン、オフライン、あるいはリモートによる解析
- LANインタフェースをサポートし、TekVISAで当社オシロスコープと接続
- フィルタ、サーチ、オプションのタブ
- ユーザ独自にデコードされたメッセージのサーチ、フィルタリングが可能
アプリケーション
- M-PHYトランスミッタ/レシーバ・テスト
- M-PHYホスト/デバイスの半導体特性評価、デバッグ、検証
- M-PHYコンフォーマンス・テスト
- サードパーティのコンポーネント検証
- プロトコル検証
- システムの統合と検証
- 製造テスト
ワンボタン操作による自動M-PHYトランスミッタ/レシーバ・テスト
M-PHYTX/M-PHYRXによるM-PHYトランスミッタ/レシーバ・テスト
M-PHYTX/M-PHYRX自動テスト・ソフトウェアは、Microsoft Windows XP*1またはWindows 7*1のOSを搭載した当社リアルタイム・オシロスコープ上で実行します。M-PHYTX/M-PHYRXは、M-PHYベース仕様v1.0および適合性試験仕様に基づいて、M-PHYトランスミッタ/レシーバ・インタフェース/デバイスを自動的に、かつ、シンプル、効率的にテストします。
テスト・ベンチをセットアップし、DUTを正しく接続した後は、Runボタンを押すだけで選択された一連のテスト項目が実行されます。
*1 ホスト・システムの要件については、最後のページをご参照ください。
自動トランスミッタ/レシーバ・テスト - 時間とリソースの節約
テスト手順に精通している必要はありません。厳密なテスト手順を思い出すのは時間のかかるものであり、しばしばM-PHYのテスト仕様を読み返さなければなりません。M-PHYTX/M-PHYRXを使用することで、M-PHYレシーバ・テストの推測作業を防ぐことができます。たとえテスト機器の操作方法を覚えていても、テスト手順や、耐性評価用障害信号などの正しいパラメータのセットアップ方法を忘れてしまうことがあります。M-PHYTX/M-PHYRXでは、実行するテスト項目を選択するだけでよく、テスト実行中は他の業務に集中することができます。
簡単な設定、テストの実行、レポート
AWG7000シリーズの非インターリーブ・チャンネルによるM-PHYRXテストとレポート生成のためのシンプルなセットアップ
M-PHYTX/M-PHYRX自動ソフトウェアのテスト・セットアップ、実行は、非常に簡単です。テスト・セットアップでの機器接続は非常にわずかであり、M-PHTXでは1台、M-PHYRXでは2台の計測器のみで実行できます。M-PHYRXが任意波形ジェネレータ(AWG)とオシロスコープのエラー・ディテクタをコントロールします。TekExpressソフトウェアのGU(I グラフィカル・ユーザ・インタフェース)により、設定とテストを直感的に実行できます。
テスト・ベンチのセットアップ
テストのセットアップでは、接続図を見ながらテスト・システムを接続するのが最も簡単です。ボタンを押すだけで、選択されたテストの接続図が表示されます。
計測器の検出
M-PHYRXソフトウェアは、テスト・ベンチに接続されている計測器(Visa対応/非対応共に)を、LAN、GPIBへの接続状況も含めて自動的に(または要求に応じて)スキャンして検出します。Instrument Benchメニューでは、すべての計測器が正しくネットワークに接続されていることを簡単にチェックすることができます。
総合的なトランスミッタ/レシーバ・テスト
すべてのハイスピード・モードのトランスミッタ・テスト、ハイスピード・モードのレシーバでは、レシーバ・ジッタ耐性、レシーバのアイ開口、コモンモードまたは差動の入力電圧耐性などがテストできます。また、すべてのPWMギア(G0~G7)のPWMテストも実行できます。
M-PHYRXのループバックの初期化と保持
オシロスコープのエラー・ディテクタを使用してDUTのレシーバ・ループバック信号のビット・エラーをカウント
レシーバ・テスト実行前に、DUTをループバックと呼ばれるテスト・モードにする必要があります。このモードでは、Rxに入力される信号をTxポートに直接ループします。DUTのループバックが設定されると、AWGはすべての測定のための推奨パターンのバースト・モード信号を出力します。M-PHYRX自動ソフトウェアは、DUTがループバックに設定されている状態で、AWGから信号を連続的に送出し、次々とテストを自動実行します。
M-PHYRXによるエラー検出 - オシロスコープベースまたはマニュアルによる
M-PHYRXソフトウェアは、2種類のエラー検出をサポートしています。一つはオシロスコープベースのエラー検出、カウント方法であり、オシロスコープに統合されたOpt. ERRDTのソフトウェアによってバックグランドで実行します。もう一つが、ダイアログ・ボックスでエラー・カウントのマニュアル入力を読み取ります。
あらかじめ校正されたパターンによるテスト
AWG(任意波形ジェネレータ)の出力パターンは、所定のアクセサリを使用した場合に仕様を満足する障害耐性試験用信号が出力されるようにファクトリ校正されています。これによりパターンの数が簡素化でき、時間のかかる校正ルーチンを軽減できます。AWGとオシロスコープのエラー・ディテクタは連動して動作し、あらかじめ校正された信号により、ループバック・モードでの各測定を3分以内で完了できます。
パス/フェイルのレポート
M-PHYTXのレポート・タブには、パス/フェイルの一覧表、マージン、必要に応じて波形画面、アイ・ダイアグラム、ヒストグラム、バスタブ曲線などを含む、約1000項目のテスト結果が、印刷可能な1つのレポートとして表示されます。Reportタブには、テスト結果、パス/フェイル・ステータス、ビット・エラー・カウントが表示されます。テストが終わると、総合的なレポートが.MHTフォーマットで出力されます。テスト結果はExcelの.XLSフォーマットでも保存できるため、データを詳細に解析することもできます。テスト・レポートには、テスト機器の設定、テストの実行回数、テストごとのコメントも含まれます。
NI TestStand™の採用
TekExpress自動コンプライアンス・ソフトウェアは、テスト・シーケンスの管理と実行にNI(ナショナルインスツルメンツ)のTestStandを使用しています。TekExpressはWindowsのユーザ・インタフェースを備えており、優れた操作性でコンプライアンス測定を簡単に実行することができます。しかし、TekExpressソフトウェアで提供される機能以上の検証とデバッグが必要な場合は、フルバージョンのNI TestStandを使用することでTekExpressソフトウェアのハイレベルの自動化シーケンス制御が可能になります。
NI TestStandは、自動テスト/検証システムにおける業界標準のテスト管理環境です。テスト・シーケンスの開発、管理、実行が可能で、オープンで柔軟性の高いアーキテクチャにより、任意のテスト・プログラム言語で書かれたテスト・モジュールを統合します。NI TestStandをすでにお持ちの方がTekExpressソフトウェアを購入すると、NI TestStandを使用し、詳細なコマンド・リストによりTekExpressソフトウェアを呼び出すスクリプトを書くことができます。このコマンド・セットでTekExpressソフトウェアの設定の保存/ 呼出、TekExpressソフトウェア設定の保存、個々のテスト・パラメータの制御、テスト選択の制御、UI選択の変更、パラメータの変更、テストの実行、現在の実行ステータスの問い合わせ、測定結果の受け取りが行えます。
デバイスの検証では、温度や電源電圧などの動作条件を変更して実行する必要があります。これは「Four Cornersテスト(低い温度と高い温度、低い電圧と高い電圧)」と呼ばれることがあります。Four Cornersテストについては、NI TestStandは広範な温度チャンバと、電源に対応しています。NI TestStandは温度チャンバを制御するのに使用でき、わずかなコマンド・セットでTekExpressソフトウェアを呼び出してコンプライアンス・テストを実行することができます。電源電圧の調整では、NI TestStandシーケンス・ファイルを使用することでTekExpressソフトウェア内の電源制御シーケンス・ファイルを編集することができます。したがって、自動化のためにNITestStandをすでに使用されている場合は、TekExpressコンプライアンス・ソフトウェアを実行するためのコマンドをテスト・シーケンスに加えることができます。
M-PHY EssentialsによるM-PHYトランスミッタ・テスト
シングルエンド/差動プローブを使用した、M-PHYTX AutomatedまたはM-PHY EssentialsによるM-PHYトランスミッタ・テスト
Opt. M-PHYを装備したDPOJETソフトウェアは、柔軟性の高いテスト・セットアップで基本的なM-PHYトランスミッタ測定を実行できます。DPOJETによるD-PHY Essentialsと同様、M-PHY EssentialsもM-PHY設計の特性評価、デバッグ、解析、適合性試験が行えます。
M-PHYハイスピード・トランスミッタ・テストに完全対応
M-PHY Essentialsは、ハイスピード・モードにおける測定をサポートします。リアルタイム・オシロスコープ上で、パワー・スペクトル密度などのユニークな測定が行えます。これは、テクトロニクス特許申請中の方法によって実現されています。他社のソリューションでは、通常は追加のハードウェアが必要になります。さらに、M-PHY Essentialsのスルー・レート測定では、スルー・レートの分解能測定まで拡張できます。
トランスミッタのアイ・ダイアグラム測定
M-PHYTX AutomatedまたはM-PHY Essentialsを使用したトランスミッタのアイ・ダイアグラム測定
アイ・ダイアグラム測定では、最小差動AC出力電圧振幅(VDIF_AC_xA_xT_TX)における、サポートされるすべての振幅、終端、ギア、レーンの組合せによるトランスミッタのアイ開口(TEYE_TX)仕様に対する測定を行います。
トランスミッタのパワー・スペクトル密度測定
M-PHYTX AutomatedまたはM-PHY Essentialsを使用したトランスミッタのパワー・スペクトル密度測定
パワー・スペクトル密度(PSD)とは、単位周波数(スペクトル)当たりのパワーの量(密度)を周波数の関数として表わしたものです。PSDは、一定時間のパワー(または変動)がどのような周波数分布になっているのかを示します。PSD測定は、当社オシロスコープを使用して、特許申請中のアルゴリズムによって実行され、得られたPSD波形表示を上下のマスク・リミットと比較してパスまたはフェイルの判定結果を出します。当社オシロスコープ上で測定できるため、スペクトラム・アナライザなどの計測器が不要です。
オシロスコープベースのM-PHY UniPro/LLIのデコード
M-PHYの設計/テスト・エンジニアは、信頼性の高いシステムにするために、UniPro/LLIのプロトコル・インタフェースをモニタ/デバッグする必要があります。オシロスコープのデータから手作業でプロトコル・レイヤの情報を読み取るのは時間のかかる作業であり、複雑なUniPro/LLIプロトコル規格では人為的ミスが生じがちです。Prodigy社のPGY-UPRO/PGY-LLIプロトコル・デコード・ソフトウェアは、M-PHYのUniPro/LLIプロトコル仕様にしたがってプロトコルを自動デコードします。このソフトウェアを使用することで、MSO/DSA/DPO70000シリーズ・オシロスコープで取込んだマルチレーン・データを自動的かつ、正確にデコードできるため、開発、テスト時間を大幅に短縮することが可能になります。
PGY-UPRO/PGY-LLIソフトウェアは、すべてのギアとNRZ、PWMなどのシグナリングを自動的に識別し、マルチレーン・トラフィックのプロトコル・フレームをデコードします。オシロスコープのシリアル・トリガ機能を利用してCRCを計算し、UniPro/LLIプロトコル・パケットのCRCエラーを検証します。また、デコードされたプロトコル・データとオシロスコープ画面の電気信号波形を自動リンクできるため、プロトコル・レイヤと物理レイヤ・データの相関関係をよりよく理解できます。さらに、TXT、CSVのフォーマットやプロトコル・データをエクスポートすることもできます。このソフトウェアは、M-PHY仕様のv 1.0、UniPro仕様のv 1.4、LLI仕様のv 0.8に準拠しています。
オシロスコープベースのM-PHY 8B/10Bデコード
オプションのSR-810Bシリアル解析アプリケーションは、8B/10のバス・イベントのデコード、サーチ、トリガにより、すばやい検証を可能にします。すべてのMSO/DSA/DPO70000シリーズ・オシロスコープには専用のトリガ・チップが装備されており、最高6.25Gbpsのハイスピード・シリアル信号の8B/10Bデータ・パターンにトリガできます。TekScopeファームウェアの一部としてインストールされており、まれにしか発生しないイベントを検出することができます。さらに、Opt. PTDを装備したMSO/DSA/DPO70000シリーズは、複数の8B/10Bデータ値にトリガすることもできます。
Opt. SR-810Bが持っているユニークで非常に強力なデバッグ・ツールが、8B/10Bコード・エラーでのトリガ機能です。通常、シリアル・トリガではキャラクタ・エラー、ディスパリティ・エラー、またはバイト同期喪失でトリガすることはできませんが、当社の8B/10Bシリアル・トリガではディスパリティ・エラー、キャラクタ・エラーなどのエラーにトリガすることができます。
オシロスコープベースのM-PHY DigRFv4デコード
Moving Pixel社のMPHYVIEWプロトコル・デコード・ソフトウェアは、M-PHYデータ・スピードを自動的に認識し、逆アセンブルし、DigRFv4データ・ストリームをデコードし、デコードされたデータをさまざまなフォーマットで表示します。同時に4レーンまでのデータ・トラフィックを取込むことができます。
MPHYVIEWソフトウェアはリモート・オシロスコープ接続ができ、TekVISAを使用して任意のWindowsシステムからリモートで実行できます。Filterタブ、Searchタブでは、設定された条件のレコードをサーチしてハイライト表示できます。また、ビット・シンク、アライン、パケットからの10B/8Bデコード、ディスアセンブルもサポートしています。
MIPI®(M-PHY、D-PHY)トランスミッタ/レシーバ・テストの推奨機器
詳細な機器リストについては、当社ウェブ・サイトをご覧くだ さい。/MIPI.